AED全般
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AEDって何ですか?
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AEDは「Automated External
Defibrillator」の略語で、日本語では「自動体外式除細動器」と呼ばれます。心臓がけいれんする(心室細動)、あるいは心室だけが早打ち(無脈性心室頻拍)して、血液を流すポンプ機能を失った状態になった心臓に対して電気ショックを与え、正常な心臓の動きを取り戻すための医療機器です。
AEDとは
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どのような時にAEDは必要ですか?
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倒れている傷病者に意識が無く、普段どおりの呼吸がないときにAEDを使用してください。
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心停止とは何ですか?
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全身に血液(酸素や栄養素)を送り出す心臓の機能が停止してしまった状態のことをいいます。心臓の動きが完全に止まった状態(心静止)だけではなく、不整脈(心室細動、心室頻拍)や心電図に波形はあるが有効な心拍動がなく脈拍を触知出来ない状態(無脈性電気活動)も心停止となります。
「心停止」は心臓が本当に止まっているとは限らない
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心室細動とは何ですか?
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心臓がぶるぶる震えてしまい、血液を全身に送り出すポンプ機能を失った状態のことです。
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どのような時にAEDの電気ショックが必要と判断されますか?
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AEDが心電図を解析した結果、心室細動と無脈性心室頻拍という不整脈の場合のみ電気ショックが必要だと判断します。それ以外の正常な心臓の動きや完全に心臓の動きが止まっている状態(心静止)、心電図に波形はあるが有効な心拍動がなく脈拍を触知出来ない状態(無脈性電気活動)の場合には、電気ショックは不要と判断します。
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AEDは誰でも使えますか?
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AEDは音声ガイドに従うことで誰でも使用することは出来ますが、心肺蘇生を含めた講習会を受講されることをお勧めします。2004年7月厚生労働省より、非医療従事者である一般市民が救命の現場でAEDを使用することは、医師法第17条には違反しないとの通知が発出されています。
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オートショックAEDとは何ですか?
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オートショックAEDとは、救助者の介入によるショックボタン操作を必要とせずに患者に電気ショックを与えるAEDです。オートショック機能のない従来型AED(セミオートAED)は、心電図解析後に電気ショックが必要と判断された場合、救助者が本体のショックボタンを押した後に傷病者に電気ショックが与えられます。救助者がショックボタンを押すことをためらって、電気ショックが行われないリスクを減らすことを目的としてオートショックAEDが開発され、日本では2021年に販売開始となりました。海外では約20年以上前からオートショックAEDが販売されており、2023年現在ストライカーは、アメリカやヨーロッパなど世界70ヵ国以上に販売しています。
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AEDはどこに設置するとよいですか?
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AEDの適正な設置場所については、厚生労働省が参考資料として公表している一般財団法人日本救急医療財団の「AEDの適正配置に関するガイドライン」に参考となる記載があります。そのガイドラインでは、「AED
を効果的・効率的に活用するためには、人口密度が高い、心臓病を持つ高齢者が多い、運動やストレスなどに伴い一時的に心臓発作の危険が高いなど心停止の発生頻度に直接関わる要因だけでなく、目撃されやすいこと、救助を得られやすい環境であることも考慮する必要がある。」とされ、
AEDの設置が推奨される施設の例として、駅、公共施設、商業施設、スポーツ関連施設、学校、会社や工場など、人が多く集まる場所が挙げられています。
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ガイドライン20〇〇とは何ですか?
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心肺蘇生法ガイドラインのことです。心肺蘇生法ガイドラインは、AEDの使用を含む救急心肺蘇生の手順や方法の指針をまとめたもので、国際蘇生連絡委員会(ILCOR)が発表した心肺蘇生に関わる科学的根拠と治療勧告コンセンサス(CoSTR)にそって、5年に1度のタイミングで世界各地の実情にマッチしたものが策定されています。日本では、日本蘇生協議会(JRC)がアジア蘇生協議会の一員としてILCORに加盟し、日本における救急医療体制や社会的慣習などを考慮し、国際連携による世界標準のJRC蘇生ガイドラインを作成しています。ガイドラインに続く数字は何年までのCoSTRに基づいているかという意味になります。
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AEDを飛行機内に持ち込むにはどうすればいいですか?
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飛行機内に持ち込めるかも含め、事前に航空会社へご相談ください。
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AEDに装着されている電池はリチウム金属電池、もしくはリチウムイオン電池ですか?
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ストライカーのAED(サマリタンPADシリーズ、ライフパックシリーズ)には、リチウム金属電池が装着されています。
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AEDのリチウム含有量はどれくらいですか?
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製品によって異なるため、下記の表をご確認ください。
AEDのリチウム含有量(PDF)
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AEDの添付文書を入手するにはどうしたらいいですか?
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独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)のWebサイト「PMDA 医療機器 情報検索」から添付文書を入手することができます。
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/
kikiSearch/
※添付文書のPDFを印刷する場合は、注意事項が赤で強調されているため、必ずカラー印刷してください。
AEDの使用について
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AEDを使用する時の注意点は何ですか?
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傷病者の倒れている場所が乾燥していることを確認し、濡れている場合は救助者が感電する可能性があるので、乾燥している場所に移動してください。
また、電極パッドは、胸の表面に水分、貼付薬、ペースメーカー、胸毛などがないことを確認してからを貼り付けてください。その後、音声ガイダンスに従い、心電図解析中および電気ショックをする時は傷病者に触れないでください。
こんな場合はどうする?
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AEDが使用できない環境はありますか?
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水辺など床が濡れていたり、あるいは金属の床の上に傷病者が横たわっている場合、傷病者を安全な場所へ移動してからご使用ください。もし、移動が難しい場合は必ず傷病者の体から水分を拭き取り、電極パッドが床に触れないように貼り付けてください。また、可燃性ガスや高濃度酸素が近くにある環境では、爆発や火災を起こす危険性があるため、安全な場所へ移動してからご使用ください。
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AEDの使い方が分からない場合は、どうすればよいですか?
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電源を入れてAEDの音声ガイダンスに従うようにしてください。機種によって多少の違いはありますが、電源ボタンを押す、もしくは蓋を開けてAEDの電源を入れると音声ガイダンスが流れ、手順を指示します。
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AEDを使用する場合、傷病者が子供の場合にもAEDを使用できますか?
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はい、使用できます。ただし、未就学児(およそ6歳までの小児)には未就学児専用の電極パッド、もしくは未就学児モードに切り替えてから使用してください。未就学児用電極パッドの使用や未就学児モードへの切り替えができない場合は、付属の小学生~大人用の電極パッドを代用してください(JRC蘇生法ガイドラインより)。その際、パッド同士が重ならないように注意して、傷病者に貼ってください。
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妊娠中やペースメーカーを埋め込んでいる傷病者にも使用することはできますか?
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はい、使用できます。妊婦が心停止している場合は、赤ちゃんへの酸素の供給に影響が出てしまいます。母親を早急に蘇生させるためにも、心停止が疑われる場合はAEDを使用してください。また、患者にペースメーカーが装着されている場合は、電極パッドをペースメーカーの位置から避けて貼るようにしてください。電気ショックの放電により、ペースメーカーが損傷することがあるため、除細動を行った後はペースメーカーの動作が正常か医療機関でのチェックを受けることを推奨します。
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傷病者が女性の場合、どのようなことに配慮すればいいですか?
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素肌に電極パッドを貼るために衣服を脱がすので、女性の傷病者の体が周りから見られないように工夫が必要です。大声で周囲の人に呼びかけ、救助者が周りを囲み、男性は輪の外側を向いて上着などを広げて持つなどの方法があります。また、電極パッドを素肌に貼った後、上半身に上着やタオルなどをかける方法も可能です。
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AEDを使用した後は何をすればよいですか?
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電極パッドは再利用できないため、新品へ交換してください。また、ライフパックCR2シリーズの場合は、バッテリの残量があるかインジケータで確認してください。緑色に点滅している場合は、バッテリはそのままお使いいただけます。もし消灯している場合は、蓋を開けて電源を入れ、音声ガイダンスが始まったら言語ボタンと未就学児モードボタンを同時に2秒以上押し続けます。その後、音声ガイダンスが流れ、問題の発見をサポートします。新品へ交換する場合は、こちらをご覧ください。
Q.電極パッドなど消耗品やバッテリなどを購入したい場合は、どうすればよいですか?
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電極パッドの袋を開けたが、傷病者に貼っていなければ、再利用できますか?
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封を開けると電極パッドは再利用できないため、新品へ交換してください。新品へ交換する場合は、こちらをご覧ください。
Q.電極パッドなど消耗品やバッテリなどを購入したい場合は、どうすればよいですか?
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AEDを使用した時のデータ抽出は無償で依頼できますか?
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有償での対応となります。ストライカーAEDをお持ちのお客様でデータ抽出をご希望の場合は、下記リンクよりお問い合わせください。
お問い合わせ
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講習会を行っていただけますか?
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講習会(有償)に参加したい場合は、日本赤十字社の講習会をご紹介しております。こちらからお申込みください。
購入・販売について
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AEDの購入やレンタル・リースの価格を知るために見積を依頼する場合は、どうすればよいですか?
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下記リンクよりお問い合わせください。担当よりご連絡いたします。
お問い合わせ
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個人でもAEDの購入はできますか?
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できます。下記リンクよりお問い合わせください。担当よりご連絡いたします。
お問い合わせ
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電極パッドなど消耗品やバッテリなどを購入したい場合は、どうすればよいですか?
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AEDをご購入された販売代理店へご連絡ください。ストライカーAEDをお持ちのお客様で販売代理店がご不明の場合は、下記リンクよりお問い合わせください。
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AEDや電極パッドなどを販売するには、どうすればよいですか?
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下記リンクよりお問い合わせください。担当よりご連絡いたします。
お問い合わせ
管理・保守について
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AEDの保守・点検はどうすればよいですか?
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消耗品の電極パッドやバッテリには使用期限があります。いつでも使用できるようにAEDの日常点検としてインジケータと消耗品の使用期限等を点検してください。詳しくは下記リンクをご確認ください。
AEDの⽇常点検
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AEDの日常点検のチェックリストは、どこで入手できますか?
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下記のリンクからダウンロードできます。
点検表のダウンロード
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電極パッドやバッテリの使用期限は、どのように確認すればよいですか?
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電極パッドやバッテリに記載された使用期限をご確認ください。
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電極パッドの使用期限が過ぎていても、封を開けていなければ使えますか?
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未使用であっても使用期限が過ぎた場合はご使用になれません。新品へ交換する場合は、こちらをご覧ください。
Q.電極パッドなど消耗品やバッテリなどを購入したい場合は、どうすればよいですか?
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バッテリの使用期限が過ぎてしまいました。どうすればいいですか?
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製品のシリーズによって対応が異なります。
- バッテリと電極パッド一体化・セットタイプ(サマリタンPADシリーズ・ライフパックCR Plus)
電極パッドの使用期限も過ぎているため、バッテリと電極パッド両方を新品へ交換してください。
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バッテリと電極パッド別購入タイプ(ライフパックCR2シリーズ)
インジケータが緑色に点滅していることを確認してください。緑色に点滅している場合は、まだ使用することは可能ですが、バッテリの残量が少なくなっている可能性が高いため、新品のバッテリを注文し、準備することをお勧めします。
(1)(2)新品へ交換する場合は、こちらをご覧ください。
Q.電極パッドなど消耗品やバッテリなどを購入したい場合は、どうすればよいですか?
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電極パッドやバッテリの交換は、どうすればよいですか?
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製品によって異なります。下記リンクよりご確認ください。
消耗品の交換方法
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交換後の電極パッドやバッテリの廃棄は、どうすればよいですか?
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廃棄物の処理に関する法令に従って、廃棄してください。各自治体によって取り扱いが異なる場合がありますので、詳しくは各自治体にお問い合わせください。
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AEDのインジケータが使用可能以外(赤色に点滅・消灯・OKマークなし)の表示になっている場合、どうすればいいですか?
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電極パッドやバッテリの使用期限が切れていないか確認してください。使用期限が切れている場合は、新品に交換をしてください。新品へ交換する場合は、こちらをご覧ください。
Q.電極パッドなど消耗品やバッテリなどを購入したい場合は、どうすればよいですか?
使用期限が過ぎていない場合は、製品によって対応が異なります。下記は解決に導く対応方法となります。詳しくは取扱説明書をご確認の上、解決しない場合は、下記リンクからお問い合わせください。
- サマリタンPADシリーズ
電源ボタンを押して、音声ガイダンスが「ただちに救急に連絡してください」と流れるか確認します。確認を終えたら電源ボタンを押して、電源をオフにします。このアクションによって問題の発見をサポートします。
- ライフパックCR2シリーズ
蓋を開けて電源を入れ、音声ガイダンスが始まったら言語ボタンと未就学児モードボタンを同時に2秒以上押し続けます。その後、音声ガイダンスが流れ、問題の発見をサポートします。
- ライフパックCR Plus
インジケータに表示されているマークを確認します。乾電池マークや注意マークの場合は、バッテリの残量が少ないため、新品に交換してください。レンチマークのみが表示されている場合は、整備が必要なため、下記リンクよりお問い合わせください。
お問い合わせ
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AEDを譲渡や設置場所を変更した場合は、どうすればよいですか?
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AEDは高度管理医療機器、特定保守管理医療機器として、設置場所を登録・管理しています。そのため、AEDを譲渡するなど設置場所を変更した場合は、下記リンクをご参照のうえ設置場所の情報を変更してください。
設置情報
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不要となったAEDの廃棄は、どうすればよいですか?
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AEDは高度管理医療機器、特定保守管理医療機器として、設置情報を管理しています。AEDを廃棄される場合は、メーカーもしくは販売店へご連絡ください。また、AEDの廃棄につきましては、以下の方法で処理いただきますようお願いします。
- 医療機関の場合、医療廃棄物として廃棄してください。
- 企業や公共機関の場合、産業廃棄物として廃棄してください。
- その他、個人所有などの場合、一般廃棄物として各自治体の指示にしたがって廃棄してください。