東京都三鷹市に広⼤なキャンパスを構え、さまざまな国籍の学⽣が集う国際基督教⼤学。
ライフパックCR2のAEDを導⼊された背景を、キャンパス整備事務局リーダー 島村輝夫様に伺いました。
本学は東京にある⼤学としては珍しく、キャンパス内に10棟の学⽣寮があり、全学⽣の3分の1にあたる約900名が寮⽣活を送っています。また、本学はオープンキャンパスなど学内のイベント時に多くの受験⽣が来訪する施設です。そのため、急に⼈が倒れるなどの緊急事態に対応するべく、2006年6⽉からAEDを導⼊しています。以前は1台1台、レンタルという形で他社のAEDを導⼊していました。当時は、⼀定の台数を包括的にレンタルする契約が結べなかったため、各AEDのレンタル期間がバラバラでメンテナンスの時期も異なり、管理が⼤変でした。こうした煩雑さを解消するため、包括契約かつ管理をある程度お任せできるリース契約を探したところ、ストライカー社のライフパックCR2と出会いました。年2回の講習会の開催や8年間の⻑期保証など、総合的にも「ストライカー社のライフパックCR2が良い」という結論に達しました。
さまざまなAEDがあるなかでライフパックCR2を選んだ理由は、主に3つあります。1つ⽬はバイリンガル⾳声によるアナウンス機能があること、2つ⽬は成⼈・未就学児のどちらにも共通のパッドを使えること、3つ⽬は機器の状態を遠隔監視できることです。
1つ⽬のアナウンス機能について、さまざまな国籍の学⽣が集まる本学にとって、バイリンガル対応のライフパックCR2はまさにぴったりなAEDでした。初期設定時は第⼀⾔語が⽇本語、第⼆⾔語が英語となっていますが、設定により第⼀⾔語を変更することも可能です。共通⾔語として英語がよく使われる本学ですが、現時点では学⽣寮の管理⼈さんにも使⽤できるよう、第⼀⾔語を⽇本語に設定していますが、今後は設置先の想定利⽤者の状況によって、第⼀⾔語を英語に設定できるのも魅⼒と感じました。アナウンスに⽇本語が⼊らなくなるのもポイントです。⽇本語、英語含めて、全30カ国語に対応しているのも魅⼒的であると考える点でした。2つ⽬の成⼈・未就学児のどちらにも共通のパッドを使えることについて、本学には家族連れや結婚式の参列者など、⼦どもの出⼊りもよくあります。ライフパックCR2は、成⼈と未就学児で別のパッドを使⽤する必要がなく、同じパッドを使えるので迷うことなく処置に⼊れます。3つ⽬の機器の状態を遠隔監視できることですが、ライフパックCR2は、LIFELINKcentralTM AEDプログラムマネージャを通して機器の異常や有効期限を遠隔監視できます。広い構内を⾏き来することなくインターネット上から各AEDの状態を確認できるのは、⾮常に便利です。
教職員に対して年に2回AED講習を実施しています。本学は3学期制を採⽤しており、春学期の始まる4⽉だけでなく、秋学期の始まる9⽉に着任する教職員もおります。それに合わせて年に2回講習を⾏うことで、新任の教職員にも講習を受ける機会を⽤意しています。これまでは地域の消防署が主催する講習を利⽤していましたが、やはりいざという時になると、使っていいかどうかの判断がつきづらいという印象です。しかし購⼊した販売店が必要に応じてAEDの講習会を検討してくれた為、救命処置の習熟度向上も図れるうえ、ライフパックCR2にはわかりやすい⾳声ガイダンスがあることから、緊急時でも有効な措置が取れるのではと思っています。
現在は、教育系・管理系の各建物や学⽣寮、グラウンドなどの学内主要施設に、合計26台を設置しています。ライフパックCR2の導⼊後は、緊急時に1回医務室のAEDを使⽤しました。使⽤後はEメールで「使⽤時のお知らせ」が届き、「しっかり遠隔監視してくれている」と安⼼しました。
また、使⽤時はAEDに初期⼼電図や解析状況等の情報が記録され、クラウドから地域の消防や病院へとその情報を共有できる機能もあります。今後活⽤できると搬送後の処置等に役⽴つのは、と感じています。
AED使⽤時の各種データを有効活⽤するために、個⼈情報の取り扱い⽅針を定めていければと考えています。⾼等学校でもストライカー社のAEDを導⼊しているので、⾼校との機種の統⼀もしたいですね。AED使⽤時に⼥性のプライバシーを守るため、上半⾝を覆うシートをAED設置場所に配備することも検討しています。また、AEDの配備は⼀段落しているので、今後は教職員への教育が⼀番⼤切だと考えています。AEDを使うかどうかの判断や、男性が⼥性を救助する際の判断など、急に⼈が倒れたときに適切に対処できるような教育が必要です。事前知識をしっかりと広めることで、緊急事態が起きたときにも、迷わずライフパックCR2を使えるようにしておきたいですね。
ライフパックCR2はパッドにフィルムがついていないので、フィルムをはがす⼿間なく装着できるのが魅⼒です。1分1秒を争う緊急時において、装着までの時間が短いことは、⼤きなメリットになると感じています。さらに、ライフパックCR2はAEDとして医療現場で使⽤される機器と同等の除細動エネルギーで電気ショックができます。未就学児以下の⼩さな⼦どもに使⽤する場合は、未就学児⽤のボタンを操作することで、出⼒を調整することもできます。また、誰もが分かりやすいデザインであることや、周りの環境⾳の⼤きさに合わせてガイダンス⾳量が⾃動調整されることも、多くの⼈が出⼊りする本学にとっては魅⼒と考えます。
1953年献学の国際基督教⼤学は、基督教の精神に基づき、⾃由にして敬虔なる学⾵を樹⽴し、国際的社会⼈としての教養をもって、神と⼈とに奉仕する有為の⼈材を養成し、恒久平和の確⽴に資することを⽬的としています。
国際的協⼒により設置された⼤学として、その名に⽰される通り、国際性への使命(I)、キリスト教への使命(C)および学問への使命(U)の3つを掲げ、⽬的の実現に努めています。
https://www.icu.ac.jp/