事例のご紹介

スポーツ時の心停止、AEDがあれば
約94%の命が救えていた ※2020年「ニューイングランド・ジャーナル・メディスン」へ投稿

国士舘大学 大学院 救急システム研究科 研究科長 教授
国士舘大学 スポーツ医科学科 教授
田中 秀治 先生
※インタビュー当時の所属となります。

一人でも多くの命を救うため、AEDの普及促進を行っている。
公益財団法人 日本AED財団の理事も務める。

サマリタン PAD 360P

スポーツ時のメディカルサポート体制についてお聞かせください。

国士館大学がスポーツ時のメディカルサポートを始めたのは、マラソン大会が最初でした。全国で都市名が付けられたマラソン大会が増えるのに伴い、マラソン中の突然死が増加したことがきっかけです。スポーツ時にAEDが必要と思われる心停止は、年間7万~7万5,000件あると言われています。その中で、AEDが近くにあり、処置ができていれば、約94%の人が蘇生し、社会復帰できたという試算があり、スポーツ時におけるAEDの使用は非常にポテンシャルの高い治療法であると言えます。そこで各マラソン大会ではAED隊として自転車に乗って巡回し、倒れた人のすぐ横でAEDを使えるように活動を行ってきました。数々のマラソン救護を経験し、効果があることがわかってきたので、心停止が起こりやすい他のスポーツにまでこのメディカルサポート体制を広げてきたのです。
スポーツ中に心停止を起こしやすい競技として、サッカー、ラグビー、アメリカンフットボール、ホッケー、ラクロス、野球などがあります。また競技者だけでなく、観客が興奮して心臓発作を起こしてしまうことも実際にあります。以前、ラグビーの試合観戦中に、スタンドにおられた観客が心停止になり、近くで目撃していた人たちがどのように処置すればよいか戸惑っているうちに救命のチャンスを失ってしまったという話を聞きました。このような人をできるだけ迅速に救命できる方法、それはAEDをその人の元にできるだけ早く届けることなのです。

クボタスピアーズ船橋・東京ベイにメディカルサポートで協力されるということですが。

1月に発足したラグビー新リーグ「ジャパンラグビー リーグワン」では、選手・観客の蘇生処置を迅速に行うための救護体制を作ろうと考えました。そこで私たち国士舘大学の救護チームが、クボタスピアーズ船橋・東京ベイのホストゲームでメディカルサポートとして協力していくことになりました。メディカルサポート体制の一例としてクボタスピアーズ船橋・東京ベイが取り上げてくれていますが、私たちの最終目標は、1チームの観客と選手に限った体制ではなく、リーグ全体の体制にすることです。まだ少し時間はかかると思いますが、「ジャパンラグビー リーグワン」の中で全チームがこのようなメディカルサポート体制を敷いていければと考えています。

メディカルサポートチームでオートショックAED「サマリタンPAD 360P」を採用された理由は?

国士舘大学のメディカルサポートチームは、様々な場面で活動をしています。東京マラソンでのAED隊をはじめ、マラソン競技以外のスポーツ大会でも、 AEDだけでなく、怪我、脱水症状、熱中症、頭を打ったなど様々なケースに対応できるように、常に2人1組で救急バッグとAEDを所持、待機しています。当然ながらバッグが重いと活動が鈍くなりますので、できるだけ軽いものがいい。オートショックAED「サマリタン PAD 360P」の重さが1.1kg。私たちが使用している製品の中では、軽くてサイズもコンパクト、持ち運びに便利です。倒れた人のところにすぐに飛び出していけるよう、スポーツの試合のサポートにはこのように軽量かつ使いやすいものはとてもメリットがあると考えています。もうひとつの特徴は、電源を入れてパッドを貼りますと、自動的に電気ショックが施されるため、処置開始までの時間が短い。それは命を助ける確率が高まる有効な治療として良いというのが私たちの採用した理由です。

競技者だけでなく観客の救護まで
安全・安心にプレー・観戦できる体制を

クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
ゼネラルマネージャー
石川 充 様
※インタビュー当時の所属となります。

選手育成からバックオフィス体制の健全化まで、チーム経営に携わる。
国士舘大学との救護共同体制での取り組み等、 選手・観客が安全にプレー・観戦できる体制づくりに関わっている。

新リーグ 「ジャパンラグビーリーグワン」についてお聞かせください。

従来のラグビーは、企業スポーツと言われ、企業が社会貢献を通じて企業価値を上げて行くようなスポーツでしたが、今年から新リーグとなり、今までの良さを残しつつも、企業スポーツとプロのハイブリッド、事業化が新たに求められています。今回のようなホームスタジアムでの取り組みの社会的な価値を、競合するチームや協力企業、地域の方がスポーツを通じて感じていただけるような新しい形のスポーツビジネスを作って行こうというのが、新リーグの目的です。

国士舘大学のメディカルサポート体制を取り入れることになった背景を教えてください。

ラグビーは怪我がつきもののスポーツです。様々な種類の怪我があり、選手の怪我に対するサポートはこれまでもトレーナーが中心となってしっかりと行ってきました。しかしながら、新リーグでは自分たちが試合・興行、スタジアムの運営まで行っていくうえで、選手のみならず観客のことも含めた対策が必要であると考えました。2010年頃、元オールブラックスのザック・ギルフォードという有名な選手が活躍していました。彼のお父さんが、日本の秩父宮ラグビー場で息子の試合を観戦中に、心臓発作により倒れて救急車で運ばれましたが、そのまま亡くなられるという痛ましい出来事があり、私は偶然その現場を目撃していました。そのような体験があったことから、トレーナーの中陳から私たちのチームもオフィシャルパートナーである国士館大学の協力を得て観客救護体制を整えるべきだという話を受けて、ぜひ取り入れるべきと思いました。

AEDに対するお考えや今後の展望などがありましたらお聞かせください。

AEDは、非常に大事なものだと思っています。誰もが操作でき、設置場所を知っていることが重要ですが、意識していないとなかなかわからないものです。そのため、私たちのメディカルサポート体制は、スタジアムの中で周知できる良いきっかけだと思います。活動を通じて、地域の人たちにラグビーはちょっと違う、社会的な価値をうまくスタジアムで表現しているなど、クボタスピアーズ船橋 東京ベイがこの地域にあって良かったと思ってもらえるチームを目指し、ぜひ積極的に取り入れていきたいと思っています。

販売名:サマリタン PAD 360P
医療機器承認番号:30300BZX00190000
高度管理医療機器・特定保守管理医療機器